ドローンを道路上空で飛行させる場合、必ず、飛行許可申請もしくは飛行承認申請が必要と思っていませんか?
本ページは、この「道路上空」でのドローン飛行について、法律を正しく理解するために解説していきます。
航空法において、「飛行許可」及び「飛行承認」が必要となる場合は、以下の通りです。
①「飛行許可」が必要なケース
航空法上、以下の空域であれば、ドローンの飛行許可が必要となっています。
・空港等の周辺
・150m以上の上空
・人口集中地区の上空
・緊急用務空域
②「飛行承認」が必要なケース
航空法上、以下の飛行方法であれば、ドローンの飛行承認が必要となっています。
・夜間での飛行
・目視外での飛行
・人又は物件と距離を確保できない飛行
・催し場所上空での飛行
・危険物の輸送
・物件の投下
上記の①及び②に該当しない「道路上空」でのドローン飛行では、航空法上の「飛行許可」もしくは「飛行承認」は不要となります。
ただし、道路上に人や車等の「第三者」がいる場合には、その上空飛行は、「第三者上空の飛行」となるので、当然、原則として飛行できないので、ご注意くださいね。
次に、道路交通法において、道路使用許可が必要かどうかを以下に解説していきます。道路使用許可については、道路交通法第77条に規定されており、条文は以下の通りです。
道路交通法では
(道路の使用の許可)
第77条 次の各号のいずれかに該当する者は、それぞれ当該各号に掲げる行為について当該行為に係る場所を管轄する警察署長(以下この節において「所轄警察署長」という。)の許可(当該行為に係る場所が同一の公安委員会の管理に属する二以上の警察署長の管轄にわたるときは、そのいずれかの所轄警察署長の許可。以下この節において同じ。)を受けなければならない。
一 道路において工事若しくは作業をしようとする者又は当該工事若しくは作業の請負人
二 道路に石碑、銅像、広告板、アーチその他これらに類する工作物を設けようとする者
三 場所を移動しないで、道路に露店、屋台店その他これらに類する店を出そうとする者
四 前各号に掲げるもののほか、道路において祭礼行事をし、又はロケーシヨンをする等一般交通に著しい影響を及ぼすような通行の形態若しくは方法により道路を使用する行為又は道路に人が集まり一般交通に著しい影響を及ぼすような行為で、公安委員会が、その土地の道路又は交通の状況により、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要と認めて定めたものをしようとする者
「 ドローンでの道路上空飛行」が「道路使用許可」に当てはまりそうな条文は黄色下線分ですが、この取扱いについては、警察庁交通局から出されている「無人航空機に係る道路使用許可の取扱いについて(通達)」に、以下のように記載されております。
2 無人航空機に係る道路使用許可についての基本的な考え方
道路の上空において無人航空機を単に飛行させるという行為については、当該行為のみをもって、道路における危険を生じさせ、又は交通の妨害となるとはいえないことから、原則として、道路使用許可を要しない。
このように、単に「道路上空」をドローン飛行させることは、道路使用許可を必要としないとなっているようです。しかし、この通達では、以下のことも記載されております。
他方、道路において、無人航空機の離発着、操縦及びこれらに付随する作業を行おうとしたり、無人航空機の飛行経路の直下及びその周辺に第三者が立ち入らないように注意喚起するための補助者の配置、無人航空機の飛行を周知するための立看板等の工作物の設置等を行おうとしたりする場合であって、当該行為が、道路における危険を生じさせ、又は交通の妨害となるおそれのあるときのほか、無人航空機を利用して、道路に人が集まり一般交通に著しい影響を及ぼすような撮影等を行おうとする場合については、その具体的な内容に照らし、周辺の道路交通状況等を勘案した上で、道路使用許可の要否を判断するとともに、当該行為の公益性と交通の妨害による支障とを比較衡量した上で、道路使用許可の可否を判断すること。
この記載がちょっとややこしくしているのですが、
・道路を使って、ドローンの離発着や作業を行う場合
・道路に第三者が立ち入らないように立入管理措置を設ける場合
には、道路使用許可が必要となることがあると言っております。
したがって、原則禁止されている「第三者上空の飛行」とならないようにするためには、立入管理措置を設けることが多く、その際には、道路使用許可が必要になってくる可能性が高いと思います。
なお、交通量が多くない道路上空で、目視内飛行及び補助者を置く場合には、立入管理措置が必ずしも必要ではないので、その場合には、道路使用許可は必要ないのではないかと思われます。
いずれにしても、詳細は、道路管理者への確認が必要ですね。