リモートID機能の義務免除に関して

ちょっと法律的な話があり、とても眠たくなるかもしれませんが、大切なことなのでお付き合いください。
皆さんの中には、令和4年6月19日までに機体の事前登録を行ったはいいが、次回の登録更新(3年後:令和7年6月20日)以降は、この「リモートID機能の義務免除」の取り扱いがどうなるか、気になっておられる方もいると思います。

「リモートID機能」というのがよく分からいという方のために、
まず、航空法改正(施行日:令和4年6月20日)により、基本的には、重量100g以上のドローン(無人航空機)の機体については、

  1. 事前登録(航空法 第132条の4 第1項)を行うとともに、
  2. リモートID機能※を持った機体である(航空法施行規則 第236条の6 第1項第2号)

ことが必要となっています。

  • 機体登録記号を識別するための信号を電波を利用して送信することにより、当該電波を受信可能な通信端末機器を使用する者による登録無人航空機の識別を当該登録無人航空機の飛行中常時可能とする機能。

ただ、航空法改正された当時では、小さい機体ではリモートID機能を持つドローンがほとんどないような状況から、以下のような経過措置が設けられております。

航空法施行規則附則>(無人航空機に関する経過措置)
第2条 航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空機及び飛行船であって構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦(プログラムにより自動的に操縦を行うことをいう。)により飛行させることができるものであって、重量が100g以上200g未満のものについては、航空法第2条第22項に規定する無人航空機とみなして、改正法附則第3条の規定を適用する

機体重量100~200gのものは、以下の「リモートID機能の義務免除の経過措置」を適用するということですね。

航空法施行規則附則>(リモートID機能に関する経過措置)
第3条 この省令の施行前に製造された無人航空機(前条の規定により無人航空機とみなされるものを含む。以下この条において同じ。)であって、技術上の理由その他のやむを得ない理由によりリモートID機能を備えることが困難であると認めて国土交通大臣が告示で定めるものについては、第1条の規定による改正後の航空法施行規則第236条の6第1項第2号の規定は適用しない。以下略。

国土交通大臣が告示で定めるものは、リモートID機能の義務免除をするということですね。

リモートID機能を備えることが困難であるものを指定する告示
改正法の施行の日(令和4年6月20日)前において登録の申請がされた無人航空機とする

航空局のホームページで案内が出ておりましたが、「令和4年6月19日までに事前登録しないと、この経過措置が適用になりませんよ」ということですね。

<ここで、気になる点>
ドローンの機体については、登録更新の制度があり、その際、このリモートIDの義務免除がどのように取り扱われるということです。ちなみに、ドローンの機体の登録更新については、以下の通りとなっています。

航空法(登録の更新)>
第132条の6 第132条の4第1項の登録は、3年以上5年以内において国土交通省令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
2 第132条の4第2項及び第3項の規定は、前項の登録の更新について準用する

この第132条の6第2項の規定により、初期登録のやり方が準用されるため、この準用規定が「リモートID機能に関する経過措置」もそのまま適用になるかどうかが、気になっておりました。

こういった場合、法律では「登録更新もこの経過措置を適用する」のような規定がされているのが多いと思いますが、それがされていないため、気になっていた次第です。

これについては、ずいぶん前に、ドローン情報基盤システム(DIPS)に、以下のように「お知らせ」があり、義務免除が継続されるとありました。完全に見落としておりました(-_-;)

<【お知らせ】【訂正】無人航空機の事前登録は6月19日申請分までです(2022/06/06)>
事前登録によるリモートIDの搭載の免除は、3年後も機体登録更新の手続きにより継続されます
なお、6月20日を跨いで自らが申請を取下げたり、登録完了後に機体の抹消を行ったりした場合は、事前登録の取扱いではなくなりますので、ご注意ください。

最後まで、ご覧下さりありがとうございます。

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